自然豊かなチェコの森！旬の食材を探しに行こう。

チェコで暮らしていると夏は海が恋しくなります。海がないチェコでは、夏に川や池、湖などで水遊びをすることは多いけれど、それとは別にチェコ人がよく行く場所があります。それは、森です。

チェコ人は本当によく森に行きます。
自然豊かなチェコの森ではあんなものが収穫できるんです。
さあ、美味しい旬の食材を探しに森に行ってみましょう。

＜チェコ人と言えばキノコ狩り＞

チェコ人が夏から秋にかけて森に行く理由、その多くが「キノコ狩り」です。
チェコは世界的に見てもキノコ狩り人口が非常に高いそうで、キノコ狩りをする人が驚くほど多いのです。
チェコ人にとってのキノコ狩りは季節の恒例行事とでもいいましょうか。チェコではとてもポピュラーなイベントです。
チェコではいわゆる「ポルチーニ」が収穫できます。日本ではちょっと高級なイメージがあるあのポルチーニがチェコの森にはわんさかあり、採り放題というのなら、それはもう間違いなくキノコ狩りに行きますよね。

但し、キノコ狩りと言ってもキノコの種類を間違えてしまったら生死に関わる問題になるので日本ではキノコに詳しい人でない限りはキノコ狩りをするということはほとんどないかと思います。
日本と大きく異なる点は、チェコではキノコに詳しい人が圧倒数で多いのです。

子供のころから毎年親に連れられてキノコ狩りをするので、どのキノコが食用で、どのキノコは毒なのか。という知識と経験を持っている人が多い印象です。そんなチェコでもシーズン中はキノコを間違えて食べてしまって救急車で運ばれた・・・なんていうニュースも流れたりするので、もちろん注意するに越したことはないですけどね。
キノコ狩りをする日の朝は早起きです。
早く行かないと先客にキノコを採られてしまうから。キノコを入れるカゴとナイフなどを持って森に入ります。
私はこれに追加してポケットサイズのキノコ辞典と、長靴、長袖、虫よけも持参しています。

キノコ狩りは晴れの日が続いていた後よりも、できれば雨が降った後、翌日がベター。そして森は乾燥しているような森よりも少し湿気があるような場所の方がベター。
雨が降ると「キノコたち、育ってるかな～？」とワクワクします。私の場合はチェコの家族がキノコをある程度見分けられるので、見慣れないキノコを見つけた時には家族に必ずチェックしてもらいますが、シーズン中に何度もキノコ狩りに行くのでよくあるキノコは自分でも判別ができるようになりました。

チェコ人は判別に迷う時は生のキノコをほんの少しだけかじって、毒かどうかを見分けることもあります。少しだけかじって苦みがあるものや、ピリピリとしびれる感じのものは毒キノコ、ないしは食用ではないキノコ。
食用キノコは苦みがないのですぐにわかりますが、この方法は危険が伴うのでもちろんおススメはしません。
キノコ狩りをする場合は必ず詳しい人と一緒に行きましょう！

さて、そんなキノコ狩りですが、キノコ狩り自体はオールシーズン出来るという話も聞いたことがあるのですが、季節によって収穫できるキノコも異なりますし、冬は寒いし雪に埋もれて採れるキノコも少ない、そして春は春でもチェコの3月4月はまだ寒くて場合によっては雪に埋もれていたりするので、夏から秋がキノコ狩りシーズンと言われています。
6月くらいから少しずつキノコ狩りが始まり、7月、8月、9月はキノコ狩りシーズン真っ只中です。チェコに来てすっかりキノコ狩りにハマり、私もシーズン中は森に何度も行くようになりました。
今年すでにキノコ狩りをしているのですが、これからがシーズン本番！
今年もキノコ狩りを存分に楽しもうと思います。

＜ブルーベリーやラズベリー狩り＞

チェコの森はキノコだけではありません。野生のブルーベリーやラズベリーもあったりするのです。
私個人的にはラズベリー遭遇率はそこまで高くはないので、見つけるととても嬉しくなります。
ブルーベリーはよく遭遇するので森に散歩に行く時には予めカゴ以外にタッパーを持って、摘んだブルーベリーはタッパーに入れるようにしています。
チェコの素敵なところは森だけでなく道端にもブルーベリーがあったりするところ。
市販されているブルーベリーや一般的に栽培する種類より小粒ですが、とてもおいしいです。森にあるブルーベリーは地面を這うように生えているので、しゃがみながらブルーベリーを採ります。
一つ一つ採るのはとても疲れる作業なので、Hřeben na borůvkyという専用の道具を使って採っている人もいます。髪の毛をとかすクシを大きくしたようなものと箱型になっている容器が一体化しており、そのクシのような部分でブルーベリーを収穫します。

日本でブルーベリー狩りをすると有料なイメージがありますが、チェコの森なら無料。
チェコの森は入場などの規制がないところが多く、木の実などを見つけたら収穫することも可能なので
バケツに一杯収穫している人も時々見かけます。
収穫したブルーベリーは焼き菓子や、チェコ料理のフルーツのクネドリーキに使われることが多いです。
自分で収穫した旬の食材を料理に使うというのは、それだけでおいしさも倍増しそうですよね。
実際、とてもおいしいんです。

森にキノコ狩り、ブルーベリー狩りというと、まるで絵本、童話の中のような世界に感じますよね。

自分で見つけて採ったものを美味しくいただく、という行為はある意味でとても贅沢なのかもしれません。